サイバー攻撃の「入口・内部・出口」対策で組織を守る!セキュリティの基本と効果的な進め方
サイバー攻撃対策における「入口対策」「内部対策」「出口対策」についての概要と、それぞれの対策や効果的な進め方を解説します。
皆さん、こんにちは!
かつてサイバー攻撃対策は、外部からの侵入をいかに防ぐか、つまり「入口対策」に重点が置かれていました。
しかし攻撃手法の高度化やヒューマンエラーなどの要因により、入口対策だけでは組織を完全に守りきることが難しくなっています。
そのため近年では、万が一侵入を許してしまっても被害を最小限に抑え、情報流出を防ぐための「内部対策」と「出口対策」が、入口対策と並び非常に重要視されています。
この記事では、サイバー攻撃対策における「入口対策」、「内部対策」、「出口対策」それぞれの概要と、各フェーズで必要とされるセキュリティソリューションについて詳しく解説します。
【本記事で得られる情報】
★「入口対策」、「内部対策」、「出口対策」についての基礎知識
★各フェーズで必要とされる対策、進め方について
【目次】
1.「入口対策」:攻撃の侵入を防ぐ最前線
2.「内部対策」:侵入後の被害拡大を防ぐ
3.「出口対策」:情報流出や外部への攻撃を防ぐ
4.まとめ:多層防御と継続的な改善が重要
1.「入口対策」:攻撃の侵入を防ぐ最前線
「入口対策」は、サイバー攻撃者が組織のシステムへ侵入するのを防ぐための最前線の防御です。ここが破られると、次の段階に進まれてしまいます。
【主な対策】
- 脆弱性管理の徹底
- システムやソフトウェアの脆弱性(弱点)を常に特定し、優先順位をつけて迅速に修正します。これには、OSやアプリケーションのセキュリティパッチ適用、不要なサービスの停止、適切な設定変更などが含まれます。
- 脆弱性スキャンツールや専門家によるペネトレーションテスト(侵入テスト)を活用し、システムの穴を見つけ出します。
- 多要素認証(MFA)の導入
- IDとパスワードだけでなく、スマートフォンでの認証コード入力や生体認証など、複数の要素を組み合わせて認証を強化します。これにより、パスワードが漏洩しても不正ログインを防ぐ確率が高まります。
- IDとパスワードだけでなく、スマートフォンでの認証コード入力や生体認証など、複数の要素を組み合わせて認証を強化します。これにより、パスワードが漏洩しても不正ログインを防ぐ確率が高まります。
- Webアプリケーションファイアウォール(WAF)の導入
- WebサイトやWebサービスへの攻撃(SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティングなど)を検知し、ブロックします。
- WebサイトやWebサービスへの攻撃(SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティングなど)を検知し、ブロックします。
- IDS/IPS(不正侵入検知/防御システム)の導入
- ネットワーク上の不審な通信や既知の攻撃パターンを検知し、警告を発したり、通信を遮断したりします。
- ネットワーク上の不審な通信や既知の攻撃パターンを検知し、警告を発したり、通信を遮断したりします。
- メールセキュリティ対策の強化
- フィッシング詐欺メールやマルウェアが添付されたメールをブロックする仕組み(サンドボックス、URLフィルタリングなど)を導入します。
【進め方】
まずは自社のIT資産を洗い出し、どこに脆弱性が存在するかを把握することから始めます。
特に外部に公開しているWebサイトやVPNなどのサイバー攻撃の標的となりやすい箇所から優先的に対策を進めましょう。
2.「内部対策」:侵入後の被害拡大を防ぐ
サイバー攻撃者が万が一「入口」を突破してシステム内部に侵入した場合でも、被害が拡大するのを防ぐのが「内部対策」です。
【主な対策】
- EDR(Endpoint Detection and Response)の導入
- PCやサーバーなどのエンドポイント(末端機器)での不審な挙動を継続的に監視し、マルウェア感染や不正な活動を早期に検知・対処します。
- PCやサーバーなどのエンドポイント(末端機器)での不審な挙動を継続的に監視し、マルウェア感染や不正な活動を早期に検知・対処します。
- 最小権限の原則
- 従業員やシステムに対して、業務上必要最小限のアクセス権限のみを付与します。これにより、アカウントが乗っ取られた場合でも、攻撃者がアクセスできる範囲を制限できます。
- 従業員やシステムに対して、業務上必要最小限のアクセス権限のみを付与します。これにより、アカウントが乗っ取られた場合でも、攻撃者がアクセスできる範囲を制限できます。
- ネットワークのセグメンテーション(分割)
- 社内ネットワークを部門ごとや役割ごとに細かく分割し、万が一どこかのセグメントが侵害されても、他のセグメントへの影響を最小限に抑えます。
- 社内ネットワークを部門ごとや役割ごとに細かく分割し、万が一どこかのセグメントが侵害されても、他のセグメントへの影響を最小限に抑えます。
- 定期的なバックアップと復旧計画
- 重要なデータやシステム構成情報を定期的にバックアップし、ランサムウェアなどによるデータ破壊に備えます。万が一の事態に備え、迅速な復旧計画を立てておきましょう。
- 重要なデータやシステム構成情報を定期的にバックアップし、ランサムウェアなどによるデータ破壊に備えます。万が一の事態に備え、迅速な復旧計画を立てておきましょう。
- SIEM(Security Information and Event Management)の導入
- 様々なセキュリティ機器やシステムから出力されるログを一元的に収集・分析し、関連性の高い情報を統合することで、異常を早期に検知し、インシデント対応を迅速化します。
【進め方】
社内のシステム構成図を作成し、重要なデータや機密情報がどこに存在するかを明確にします。その上で、データへのアクセス経路や権限を適切に管理し、異常がないかを継続的に監視する体制を整えましょう。
3.「出口対策」:情報流出や外部への攻撃を防ぐ
「出口対策」は、システムに侵入したマルウェアや攻撃者が、外部のC2サーバー(Command and Controlサーバー)と通信したり、機密情報を外部へ持ち出したりするのを防ぐ最終防衛線です。
【主な対策】
- ファイアウォール・プロキシサーバーの適切な設定
- 不要な通信を制限し、許可された通信のみが通過できるようにします。特に、内部から外部への不審な通信をブロックするルールを厳格に設定します。
- 不要な通信を制限し、許可された通信のみが通過できるようにします。特に、内部から外部への不審な通信をブロックするルールを厳格に設定します。
- DNSフィルタリング/URLフィルタリング
- 不正なWebサイトやマルウェアの配布元サイトへのアクセスをブロックし、情報流出やさらなる感染を防ぎます。
- 不正なWebサイトやマルウェアの配布元サイトへのアクセスをブロックし、情報流出やさらなる感染を防ぎます。
- サンドボックス環境の活用
- 不審なファイルやプログラムを隔離された仮想環境で実行し、安全性を確認してから本番環境へ導入します。これにより、未知のマルウェアが外部と通信するのを防げます。
- 不審なファイルやプログラムを隔離された仮想環境で実行し、安全性を確認してから本番環境へ導入します。これにより、未知のマルウェアが外部と通信するのを防げます。
- ログの監視・分析
- 通信ログやプロキシログを詳細に監視・分析し、外部への不審な接続や大量のデータ送信がないかをチェックします。
【進め方】
ネットワークの出口にあたる部分で、どのような通信が行われているかを可視化することが重要です。不審な通信をいち早く検知し、遮断できる仕組みを構築しましょう。
4. まとめ:多層防御と継続的な改善が重要
サイバーセキュリティは「入口」「内部」「出口」の各所で多層的な防御策を講じ、それぞれの対策が連携して機能することで、初めて効果を発揮します。
また、セキュリティを取り巻く環境は常に変化するため、一度対策を講じれば終わりではありません。
新しい脅威に対応するため、定期的に対策を見直し、改善していく継続的な取り組みが不可欠です。
この3つの視点から自社のセキュリティ体制を点検し、どこに弱点があるのかを把握することから始めてみましょう。
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